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<教員>10月のおすすめ本

(1)人工知能は人間を超えるか 松尾豊著
▶ISBN:9784040800202
▶書名:人工知能は人間を超えるか
▶著者:松尾豊
▶出版社:KADOKAWA
▶本体価格:1,400円

人工知能の勉強をしたいけど、自分の所属学科ではそんな授業がない。。。と嘆くあなた!以下の書籍で勉強を始めてはいかがですか?人工知能は様々な分野で応用されているため、情報系の学生以外も勉強する必要があると思っています。様々なプラットフォームが整っているので、人工知能を独学で学習することは可能です。
本書を読むことで、人工知能とは何か全く知らない方でも大体のイメージを掴むことができるのではと思います。数学的な記述は殆どありません。巷で話題になってる人工知能はドラえもんの知能とは何が違うのか、人工知能を考える上で重要な意味を持つフレーム問題やシンボルグラウディング問題など代表的な話題について書いてあります。囲碁で人工知能が人間に勝つ前の話だったり、少し古い部分もありますが、これから勉強を始める前に人工知能が一体どのようなものかを捉えることができ、現在の人工知能にとって何ができて何ができなくて、これまでの人工知能と何が違うのか、また、現在何が問題なのかがわかります。そして、かつてあった二度目の人工知能ブームにおける苦い経験をもとに、著者による未来への期待と展望が描かれています。
ディープラーニングの中身についての概説もありますが、概説だけで理解するのは難しく、本書を読んでより詳しく知りたくなった方は以下に記す(3)ゼロから作るディープラーニングや(4)PythonとKerasによるディープラーニングの書籍を読むことをお勧めします。


(2)『機械学習のエッセンス』 加藤公一 著
▶ISBN:9784797393965
▶書名:機械学習のエッセンス
▶著者:加藤公一
▶出版社:SBクリエイティブ
▶本体価格:2,800円

文系の学生さんや高校数学なんてもう忘れてしまったよという方でも人工知能の勉強を始めることは可能です。本書はそんな方で、これから人工知能(機械学習)の勉強をしたいという方にお勧めします。微分や行列計算のやり方から丁寧に解説してくれます。また、機械学習でよく使われるプログラミング言語であるPythonの使い方についても簡単な解説がなされています。コードも載っているので、自分で実装して確かめながら進むことができます。説明はかなり丁寧に書かれており、初学者や数学に自信がない方でも読み続けることができる内容になっていると思います。人工知能と機械学習とディープラーニング(深層学習)の関係は、(人工知能) ⊃ (機械学習) ⊃ (ディープラーニング)です。なのでディープラーニングを勉強する前にこの一冊をお勧めします。これを読み終え、機械学習について大まかなイメージをつかんだら次の本(3)ゼロから作るディープラーニングを読んでみましょう。


(3)『ゼロから作るDeep Learning』 西川美和 著
▶ISBN:9784873117584
▶書名:ゼロから作るDeep Learning
▶著者:斎藤康毅
▶出版社:オ-ム社
▶本体価格:3,400円

ディープラーニングについてはニュースなどで見聞きしたことがあるのではないでしょうか?囲碁で世界最強棋士に勝ったり、自動運転に使われようと開発が行われている人工知能の一種です。人間が人工知能に支配されてしまう?なんてことも囁かれたりします。一体ディープラーニングとは何か、この本を読めば実際にどういうものであるかわかると思います。本書はこれから人工知能(ディープラーニング)の勉強をしたいという理系学生にお勧めします。ディープラーニングというものが一体どのようにして実現しているのか、その数学的な処理を一から説明してくれています。また、その処理を実際にプログラムで書いて実装するところまでを示してくれます。機械学習やディープラーニングでプログラムコードを記述する際はPythonというプログラミング言語を使うのが主流です。Pythonの使い方についても解説がありますが、プログラミング自体が初めてである場合は別途簡単な本を一冊学習しておいた方が良いかもしれません。ディープラーニング学習の一歩目を踏み出してください!


(4)『PythonとKerasによるディープラーニング』 フランソワ・ショレ クイープ 巣篭悠輔 著
▶ISBN:9784839964269
▶書名:PythonとKerasによるディープラーニング
▶著者:フランソワ・ショレ クイープ 巣篭悠輔
▶出版社:マイナビ出版
▶本体価格:3,880円

 (3)ゼロから作るディープラーニングでディープラーニングの基礎をだいたい学習したら次にお勧めするのはこの本です。人間の認識能力を超える画像分類能力を持つ人工知能が使えるようになったり、自然言語処理で英語の映画レビューを高評価や低評価に分類するなどすぐに使えそうな技術を得る事ができます。自分でプログラムを書いて、猫や犬などの画像を入力して、コンピュータがちゃんと猫であるかや犬であるかを認識してくれるのは結構感動するんじゃないかなと思います。是非みなさんも体験してみてください。あと、皆さんkaggleって知ってますか?人工知能を用いて課題として出されるデータの処理を行いその精度を競うネット上の場所です。この本を読んだらkaggleに挑戦するのも良いと思います。kaggleでは課題のデータをどのように処理すれば良いか、ソースコードが公開されており、解説までついています。英語であることがややハードルを上げますが、ここに参加すれば世界中の猛者と切磋琢磨することができます。新たな扉を開いてみましょう!(SIGNATEという日本語の機械学習コンペサイトもありますので、そちらもオススメです。


(5)『ディープラーニング革命』 アテレンス・J.セイノフスキー著 銅谷賢治 訳
▶ISBN:9784315521511
▶書名:ディープラーニング革命
▶著者:テレンス・J.セイノフスキー 銅谷賢治
▶出版社:ニュ-トンプレス
▶本体価格:2,800円

(3)ゼロから作るディープラーニングや(4)PythonとKerasによるディープラーニングの本を読んでディープラーニングを大体理解したら、一度ディープラーニングがどのようにして現在の姿になったのかを振り返るのも良いかも知れません。本書はその黎明期から現在に至るまでを著者の視点から事細かに記してくれています。大学の研究室に入った後、研究を開始するときに研究テーマの成り立ちや歴史を調べることは必須です。本書を読むことで、ディープラーニングが非常に広範な学問分野で構成されることがわかります。例えば、数学、物理学、生物学(特に脳神経科学)、心理学、哲学などです。また、人間の知能に挑んだ多くの科学者が登場し、物語が紡がれます。著者の経歴も興味深く、プリンストンで物理学の博士号を取ってからハーバードの医学部で博士研究員で神経生物学の研究室に入るというもので、計算神経科学という分野を立ち上げる経緯についても垣間見ることができます。ところどころ難しい話も出てきますが参考文献(論文)も豊富に掲載されており、自身で掘り下げることも可能です。この分野に興味を持った方は是非読んでほしい一冊です。


▼ 2019年10月の担当教員 ▼
新岡 宏彦 先生
新岡 宏彦先生プロフィール
データビリティフロンティア機構 特任准教授 AIメディカル研究会 顧問
2009年に大阪大学大学院生命機能研究科修了(博士(工学))
現在、人工知能を用いたバイオ・メディカルデータ解析に従事。
また、実データで学ぶ人工知能講座(NEDO特別講座)にて社会人を対象とした人工知能教育に従事している。
もともとバイオ・メディカルイメージング手法および機器の研究開発を行っていたこともあり、自分で開発した装置に人工知能を載せた商品を世に出したいと思っている。


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