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<学生団体>8月-9月のおすすめ本

(1)『ドーナツを穴だけ残して食べる方法』 大阪大学 著
▶ISBN:9784872594706
▶書名:ドーナツを穴だけ残して食べる方法
▶著者:大阪大学
▶出版社:大阪大学出版会
▶本体価格:1,500円

本書は、数年前にインターネットで話題になった「ドーナツを穴だけ残して食べる方法」という問いに、大阪大学の教員、文理合わせて12名が答えている共著本です。学問へのモチベーションを高めたい方にお勧めの本です。学問へのモチベーションを高められると考える理由は、2点において感心し刺激を受けられるからです。
1点目は、解答それぞれに発揮されている高い専門性です。先生方の解へのアプローチはどれも非凡なものであり、各専門分野の深い知見に基づいています。但し、決して読み難いというわけではなく、噛み砕いて解説されています。
2点目は、解の多様性です。無理難題とも思われる問いに対して、1つばかりでなく種々の解が著わされています。高い説得力を持つという前提を満たしながら、完全に異なる解法を複数集めるのは感銘に値します。ドーナツのお供に良い本でしょう。


【評:伊藤 慎之介】

(2)『異文化理解力』 エリン・メイヤー著 田岡恵 樋口武志訳
▶ISBN:9784862762085
▶書名:異文化理解力
▶著者:エリン・メイヤ- 田岡恵 樋口武志
▶出版社:英治出版
▶本体価格:1,600円

海外で働く人や外国人と仕事をする人にとって、語学やマナーよりも大切な「異文化理解力」。それは育った環境や価値観が異なる人とコミュニケーションを取る際に、誤解やすれ違いを生むことなく信頼を築く技術のこと。様々なカルチャーバックグラウンドの人と共に働く時にこれがいかに大切なポイントとなるのか、今まで国際的な環境に身を置いてきた著者の経験が力強く語り、色々な実体験の例が各所に散りばめられていて興味深い。
本書は主に仕事をする上で考慮するべき文化の違いを扱っていてかなり実践的であり、外国の人と仕事をするビジネスマンには明日からでも実践出来そうな内容ばかりだが、留学などで現地の人とコミュニケーションをとる人にもおすすめできる学びの多い一冊。数々の興味深い文化の違いを解説した図の中でも、著者が編み出したカルチャーマップ(コンテクストの有無・フィードバックの方法によって4つに分類)は必見。文化の違いを予め理解しておくだけで、コミュニケーションは驚くほどスムーズになるかもしれない!


【評:元浦 菜摘】

(3)『人生やらなくていいリスト』 四角大輔著
▶ISBN:9784062817394
▶書名:人生やらなくていいリスト
▶著者:四角大輔
▶出版社:講談社
▶本体価格:780円

 『「To Do」に命を捧げるか。「やりたいこと」に命を賭けるか。』
今やらなければならないこと、すなわちTo Doリストを書き出した時、忙しい日本人はそれをこなすことに1日を捧げて没頭している。「こんなことをしてみたい、いつかあれをやりたい」はいつのまにか日々のTo Doリストに悩殺されていく。そして、気づいたら人生が終わりを迎える。そのことに筆者は警鐘を鳴らしている。筆者は有名音楽会社のプロデューサーとして多忙な日々を送っていたが、日々の無数のタスクに追われ、いつの間にか過労とストレスで疲弊し限界に達したとき、タスクを消費するだけの人生を送っている自分に気づいた。
 「このなかでやらないと人生が終わることっていくつある?」
本の中で投げかけられたこの問いに、私は衝撃を受けた。やらなければならないと思っていたこと、やったほうがいいことを優先するあまり、「最もやりたいこと」を犠牲にしていることに気づかされたのだ。To Doをこなす人生は、誰のための人生なのか?と考えるきっかけをくれた本である。


【評:中島 季美佳】

(4)『本当はちがうんだ日記』 穂村弘 著
▶ISBN:9784087463538
▶書名:本当はちがうんだ日記
▶著者:穂村弘
▶出版社:集英社
▶本体価格:520円

「今はまだ人生のリハーサルだ。本番じゃない。そう思うことで、私は『今』のみじめさに耐えていた。」 他人の成功が気になる。理想の自分との乖離が苦しい。でも余裕がたっぷりある風に構えて、自分はまだ本気を出していないからと言い聞かせる。がむしゃらなところを見せない。結局、自分のちっぽけさに胸が切なくなる。そういう思いをしたことはないだろうか。
ゼミの同期の発表が好評だった時、留学先でスーパーハイスペック東大生に出会った時、就職活動の面接に失敗した時。わたしには数え切れないほど心当たりがある。
歌人でもある作者が、日常感じるわかだまりを自虐的に、歯切れよい言葉遣いで綴ったエッセイ。日々感じる言語化しづらい「本当はちがうんだ」をユーモラスに文章化する作者の言葉を操る表現力には脱帽である。
誰もが自分に通ずるところを感じて心が少し痛むけれど、笑える。そんな痛快感がクセになる一冊。


【評:船崎 奈乃波】

(5)『本日はお日柄もよく』 原田マハ 著
▶ISBN:9784198937065
▶書名:本日はお日柄もよく
▶著者:原田マハ
▶出版社:徳間書店
▶本体価格:648円

「言葉っていうのは、魔物だ。人を傷つけも、励ましもする。(中略)この魔物をどう操るか。それは、話す人次第なのだ。」
スピーチライターという一見聞き慣れない職業に焦点を当てた小説。ごく普通のOLだった主人公こと葉は、幼馴染の結婚式で衝撃的なスピーチに出会う。そのスピーチをきっかけに、伝説のスピーチライターである久遠久美に弟子入りすることに。久遠の下で修行を積んだこと葉は、政権交代を狙う野党のスピーチライターに抜擢される。 言葉の持つ力と、その言葉の使い方を改めて考えさせられる作品。言葉を効果的に使うためのヒントが、小説の中に散りばめられています。主人公のひたむきな姿勢、伝説のスピーチライター久遠のカリスマ性にも引き込まれます。


【評:田坂 日菜子】

▼ 2019年8月-9月の担当学生団体 ▼
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