<教員>4月のおすすめ本

▶書名:バイオビルダー
▶著者:ナタリー・クルデル
▶出版社:オライリー・ジャパン
▶本体価格:2,400円
バイオ系で何かやりたいと思ったら手に取って!
MITを中心に遺伝子工学の学生向け(高校生も出場可)世界選手権が毎年開催されています。たとえば大腸菌の遺伝子操作をして、大腸菌が有害物質を認識したらバナナの香りを出すといったものが実際に大学生によって作られています。本書は、どのようにしてそれができるのかを高校生以上向けに書かれた入門書です。生物の知識がないと思っている人でも読めるように書かれてあります。大阪大学でも学生が自主的にチームを作って過去に予選を勝ち抜き、アメリカでの本選にまで行ったことがあります。さらにこのチームによって原書の訳をゼミ形式で行ってまとめ上げたのが本書です。研究室ではなく2回生が中心になって進めました。
バイオテクノロジーって何だろ?とかバイオ系の研究ってどんなことをやるのだろうと思っている人のみならず、何か役に立つものを作ることができないのかと漠然と思っている人も読んでみてほしい一冊です。

▶書名:アイデア・メ-カ-
▶著者:山口高弘
▶出版社:東洋経済新報社
▶本体価格:2,200円
何か新しいことを始めたいと思ったら手に取って!
アイデアの出し方って習ったことありますか?
本書は、ワークショップ形式で順繰りに空欄を埋めて行く形式で進んでいくとビジネスアイデアにまで到達できちゃう作りになっています。本書が一冊あれば、自分でアイデア出しの会議を仕切れるだけでなく、楽しいワークショップをデザインすることができる。是非手もとに一冊置いておいて欲しい上に、手に取ったからには一度は実践してもらいた本となっております。アイデア出しの1つの体系を分かり易くまとめたのが本書です。最終出口がビジネスモデルとなっていますが、アイデアを練るのにも使えること間違いなし!
著書の山口さんには大阪大学などの大学生向けに本書を使ったワークショップを開催してもらったこともあります。
何か新しいことを始めたい、将来独立して何かやりたいや、みんなを集めて問題可決に向けたアプローチをしたいと思っている人は是非手に取ってください。
▶書名:イノベーションのDNA
▶著者:クレイトン・M.クリステンセン
▶出版社:翔泳社
▶本体価格:2,000円
自分は何に向いているのか?と疑問を持ったら手に取って!
イノベーションとは何か?またこのイノベーションを起こすには何が必要かをスティーブ・ジョブズ、ジェフ・ベゾス(アマゾンCEO)、アラン・ラフリー(P&G前会長)ら3500名のイノベーターへのインタビューを通じて分析、創造的なアイデアを生み出すには何が必要なのかを5つのスキルとしてまとめたのが本書。
またこれらの力は先天的要因というよりも後天的に高めることが可能であることも書いてあり、自分がどのタイプの人間か分析し、どのスキルを伸ばせばいいのか検討できる。著者は「イノベーションのジレンマ」で有名なクリステンセン、彼の他の著書もこれを機会に是非目を通してほしい。特にイノベーションとは何か、なぜ日本は立ち遅れたと言われているのかは知ることができます。
イノベーションならびにイノベーターが必要だと叫ばれて続けている日本、その資質と能力開発手法がまとめられているのが本書。本書を手に取って、まずは自身の分析をしてみてください。

▶書名:描きながら考える力
▶著者:サニ-・ブラウン、壁谷さくら
▶出版社:クロスメディア・パブリッシング
▶本体価格:2,480円
ラクガキでいい!どう考えればいいのか分からなかったら手に取って!
「ラクガキ」とはビジュアル言語なのだ!
本書を常に手もと置いて、ラクガキを活用しましょう。クリエイティブの意味なども同時に実感できるかもしれない一冊となっております。自身のアイデアのブラッシュアップなどにも是非活用ください。
著書のサニー・ブラウン博士は自らを「ラクガキ博士」と呼び、TED.comでも講演「ラクガキする人、集まれ!」で、100万ビューを集めたラクガキ伝道師です。TEDも是非視聴ください。
どのように利用すればいいのかについても詳細に触れられているので、仲間を集めて実践したい人にもお薦めの一冊。
手に取って、練習というかラクガキをどんどん進めてほしい一冊です。

▶書名:乱読のセレンディピティ
▶著者:外山滋比古
▶出版社:扶桑社
▶本体価格:580円
外山さんの本はとにかく一冊手に取ってみて!
「思考の整理学」で有名な知の巨人・外山滋比古さんの本で、「乱談のセレンディピティ」と合わせて読んで欲しい一冊。
アイデアがどのように生まれてくるのか、知識をどのように昇華させて新しい発想へと結ぶつけるのかのヒントがふんだんに盛り込まれた本書。ただ漠然と読書している人にも何かしらのヒントを与えてくれること間違いなし。これからの学生生活、それなりに本を読む機会が増えると思います。本書を読んでから読書生活に入るのと読まないで入るでは、かなり差がでるのではないかと思う一冊となっております。
「考えること」を考えてきた著書・外山さんの本は、学生であれば何冊かは手に取ってほしい本であります。是非、一冊手に取って!
濱田 格雄 先生

共創機構
人材育成部門・イノベーション戦略部門兼務 特任講師
VBL(ベンチャービジネスラボラトリ)時代から大学シーズの社会実装をテーマに研究ならびに支援業務に従事。学生へのアントレプレナー教育も実施。その一環で今回紹介の「バイオビルダー」も学生と共にまとめた。専門は生物物理。
教員への研究シーズの社会実装の支援も進めつつ、現在、2017
年 10 月発足の Innovators’ Club のサポートを行っている。