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<学生団体>4月のおすすめ本

(1)アイデア大全 読書猿著
▶ISBN:9784894517455
▶書名:アイデア大全
▶著者:読書猿
▶出版社:フォレスト出版
▶本体価格:1,700円

何か新しいアイデアが欲しいけど思いつかないとき、「アイデア大全」の出番です。本書をパラパラ読んで、42のアイデア発想法から自分に合っている方法を見つけることができます。また、本書は実用面だけでなく、知的好奇心も満たしてくれます。なぜなら、発想法が生み出された時代背景やエピソードが豊富に紹介されているからです。ダーウィンが進化を説明する自然淘汰説のアイデアを思い付いた背景にはどういう発想法があったのだろうか?ディズニーがミッキーマウスのキャラクターや脚本をどうやって発想し、実現したのか?Twitterがあえて投稿を140字以内に制限かけることで急成長できた発想はどこから?魔法瓶の発明は、電球で培った真空技術とガラス製造技術を何かに応用できないかと考えたことがきっかけだった?表紙も黄色、中の紙面も黄色。一貫して黄色という異色な本書を一度手に取ってみてください!


(三田 真志郎)


(2)強度検討ミスをなくすCAEのための材料力学 遠田治正著
▶ISBN:9784526073748
▶書名:強度検討ミスをなくすCAEのための材料力学
▶著者:遠田治正
▶出版社:日刊工業新聞社
▶本体価格:2,600円

「お前の解析は幼稚園レベルと言われた学部4年生を救った入門書」

本書は,一般人,有限要素解析を専門とする技術者には不要です.

 

卒業研究も終盤に差し掛かった学部4年生の12月の頃の話です.タイでの学会発表を終えた際に,「お前の解析は幼稚園レベル」と指摘されてしまいました.そんなFEM入門者の私が何とか卒論を書き上げるにあたり,大いに参考にさせてもらった一冊です.

 

記載されている内容の範囲は材料力学の基礎からCAE理論まであり,また見落としがちな力の流線といった概念まで分かり易く解説されています.これ一冊ですべてを網羅することは決してありませんが,FEMを専門とする技術者と議論するために最低限の内容が網羅されていると思っています.

 

今も時折,基本を見直したいときに書棚から取り出しては,内容を確認しています.自身が行った構造解析に見落としがないか,十分に考慮をして前に進めているか足場を叱りさせるために活用しています.


(松本文也)


(3)「死」とは何か サム・キーン シェリー・ケーガン著
▶ISBN:9784866510774
▶書名:「死」とは何か
▶著者:シェリー・ケーガン
▶出版社:文響社
▶本体価格:1,850円

・バイト先で先輩にボロくそ言われたり、就活上手くいかずお先真っ暗やったり、自分だけ留年してクラスに友達おらんくなったり、、、

なんだかんだで心底「死にたいぃぃ」と感じている人

 

・やりたい勉強とかないし、でかい夢や希望があるわけやないし、彼氏彼女がいるわけやないし、人生つまらん過ぎて「なんで生きてるんだっけ」とか思っちゃってる人

 

・Youtube見るか、スイッチするか、ネットサーフィン始めてしまうかくらいの脳みそ使わぬ徒然とした大学生活に飽き、無駄に深いこととか考えてみたくなっちゃった人

 

 

憂鬱や虚無や怠惰から解放され、

「死とは何か」を今一度考え直してみませんか。

 

死ぬことと寝ることの違いとか?

 

不死はなぜ良いのか、悪いのか?

 

自殺は正当化されるべきなのか?

 

読み進めていくにつれ、自分自身の中で「生」と「死」が深まっていく楽しみを感じられるかも知れません。


(瀬戸ひろえ)


(4)ユダヤ知的創造のルーツ 石角完爾著
▶ISBN:9784479795995
▶書名:ユダヤ知的創造のルーツ
▶著者:石角完爾
▶出版社:大和書房
▶本体価格:1,600円

世界の成功者にユダヤ人が多いことは既知である。それゆえに日本のユダヤ人に対する印象は「お金にうるさい商売人」「お金の亡者」などとネガティヴである。ユダヤ人がなぜ成功するのか?まず第一に同胞への起業支援 (c.f.戒律571番 同胞から金利をとってはならない) が充実していることは当然そうであるのだが、それ以上にユダヤ人は仕事よりもお金よりも戒律を守ることが何より優先され、あくまで宗教上の600以上の規律を守る「結果」が成功を可能にする。決してお金稼ぎが目的になっていないというから驚きだ。例えば、金曜日の晩から仕事を一切してはならない安息日が存在する。無論iPhoneを触ることも、TVを見ることも、家の片付けをすることも許されない。ただ家族と祈りを捧げたり、仲間と会話をしたりする。しかしこの安息日があるからこそ月曜日から木曜日までの仕事を人の1.5倍集中してできるし、安息日という名の、脳を完全に休める時間がクリエイティビティを可能にする。この書籍にはユダヤ人の生きる知恵や道徳、哲学が詰まっている。そして気づいたことは、時として日本的思想はユダヤ人とは真逆の行動を選択させているということである。この書籍は直接的なビジネス書ではないが、ビジネスに纏わる「哲学」を磨く一助になるだろう。


(島藤)


(5)十二支考 南方熊楠著
▶ISBN:9784003313916
▶書名:十二支考
▶著者:南方熊楠
▶出版社:岩波書店
▶本体価格:1,060円

 字面の強烈さで記憶に残る名前第一位(当方調べ)「南方熊楠」.しかし,彼の著書を読んだ事はあるだろうか.気になる熊楠初心者にお勧めしたいのがこの書である.

 

 学者として名を馳せた熊楠が,十二支の生き物其々を世界各国の俗説や民話などを絡めて語る,千頁に及ぶ名著なのだが,冗長であったり,妙に居丈高であったりは決してない.その博識さに圧倒されつつも,平易な表記と語りかける様な文体で,読者に寄り添うような話がゆったりと続くのである.

 

 ところで,十二支を語る上で多くの場合「子」から始まるのが一般的であろう.しかし本書はのっけからこれを裏切る.あろうことか最初は「虎」である.なぜだ.分からん.因みに熊楠本人は卯年(1867)生まれである.ますます謎だ.因みに私は寅年生まれなので,一番で素直に嬉しい.

 

 さて,多くの生き物の中で十二支に取り上げられる生き物達は,自らの干支と絡めて親近感の湧く存在ではないだろうか.その干支を,博識で名を馳せた熊楠が如何に語るのか,是非その目で確かめて頂きたく本書評を書いた次第である.


(藤本森峰)


▼ 2020年4月の担当学生団体 ▼
Innovators’ Club


Innovators’ Clubでは理系・文系の分野を超えたさまざまな学部や研究科の学生が「起業」や「イノベーション」に必要な知識や体験を得るために活動しています!
これまでの常識や枠組みにとらわれず、自ら行動し、新たな価値を創造するイノベーション人材の育成を目的としており、 i Club の学生は大阪大学産学共創機構を通して様々なバックアップを受けることができます。何かに挑戦したい阪大生ウェルカム。



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