TOP > 書籍・教科書・資格> 今月の書籍ショップ> ブックコレクション

<教員>1月のおすすめ本

(1)「超」文章法 野口悠紀雄著
▶ISBN:9784121016621
▶書名:「超」文章法
▶著者:野口悠紀雄
▶出版社:中央公論新社
▶本体価格:780円

皆さんは学生である間に、「自分の考えを確実に伝え、自分に興味を持ってもらうための文章の書き方」を何としてでも身につけないといけません。この本は、研究者を志した私がその必要に駆られて収集し読み漁ってきた多くの文章法の書籍の中で、最も役にたったと感じたものです。個人の才能は、開かれた社会の中では誰かに興味を持ってもらえなければ容易く埋もれてしまいます。一方で、才能を活かす機会を得るための「文章の書き方」は、実践なくして磨けない技術です。どのような技術がなぜ必要なのか。ある文章がなぜ良くて、なぜ悪いのか。何に気を付ければよい文章が書けるようになるのか。この本は分かりやすくまとめてくれています。この本を常にそばに置き、文章を書く度にこの本の内容を参照しながら実践し、一生の武器になる文章力を身につけましょう。


(2) 文章は接続詞で決まる 石黒圭著
▶ISBN:9784334034733
▶書名:文章は接続詞で決まる
▶著者:石黒圭
▶出版社:光文社
▶本体価格:760円

接続詞は文章のおまけだと思って適当に書いていませんか?それは大きな誤解です。実は接続詞にこそ、書き手の「思考力のレベル」がはっきりと映し出されてしまうのです。恥ずかしいですね。皆さんがものごとを構造的に捉えられる人物なのか。しっかりした論理で考えを進められるのか。これらは文章の内容ではなく、「接続詞の置き方」によって判断されてしまうということです。この本の最初の2章だけでも読んでみてください。なんとなくでも使えてしまう接続詞が、いかに読み手の解釈を左右するリスクをはらんだものであるかに気づかされるはずです。「接続詞は取り扱い注意」です。  


(3)やさしい文章術 樋口裕一著
▶ISBN:9784121500731
▶書名:やさしい文章術
▶著者:樋口裕一
▶出版社:中央公論新社
▶本体価格:720円

これから皆さんは、人生の中で何百回、何千回もレポートを書くことになります。メールで返信するような短いものも含めれば、何万回も書くことになる人もいるでしょう。一つ一つを書き上げるのに時間をかけてはいられませんよね。レポートを書き上げるのは大変ですが、繰り返しやってくるタスクです。繰り返しのタスクには、先人たちによって洗練されてきた「型」があります。「型」さえ身につけば、考えなくても勝手に素早くできてしまうようになりますよね。この本はレポートを書く「型」を身につけるための作法を丁寧に解説してくれています。この型をいつの時点で身につけられるかで、将来に渡って大きな差が生まれます。もちろん、早いほどよいです。


(4)ヒラノ教授の論文必勝法 今野浩著
▶ISBN:9784121504807
▶書名:ヒラノ教授の論文必勝法
▶著者:今野浩
▶出版社:中央公論新社
▶本体価格:760円

大学の先生は講義以外でいったい何をしているのか?何を経験して先生になったのか?研究者として何と格闘しているのか?この本には、著者が大学の研究者として生きてきた社会で理解を深めてきた「裏事情」と、それを踏まえて勝ち抜く(生き抜く?)ために実践してきた「戦略」が書かれています。知っておくと、普段の講義で先生を見る楽しみが増えるかもしれませんよ。研究室の選び方や、修士論文を書く際の先生との協力関係などについても書かれていますので、研究室生活に不安を抱えている学生さんにもお勧めです。


(5)コンサル一年目が学ぶこと 大石哲之著
▶ISBN:9784799315323
▶書名:コンサル一年目が学ぶこと
▶著者:大石哲之
▶出版社:ディスカヴァ-・トゥエンティワン
▶本体価格:1,500円

この本のタイトルを鵜呑みにしてはいけません。「誰かのために価値を生み出せるようになりたい」と考えている阪大の学生さんなら学部を問わず、学生の間にこの本の内容を学んでおくべきです。作業を始める前に手順を考えて関係者の合意を得る。大枠を作ってから詳細を固める。事実には解釈と行動案を添える。このような「価値を生み出すための基本的なスキル」は、知っていても中々うまくできるものではありません。どのような状況で、いかなるバランスでどのスキルをどう駆使すればどれ程の効果が得られるのかを、実践の中で体得していないと使いこなせないのです。色々なことに挑戦できる学生の間が実践のチャンスです。学生でいられる時間はすぐに終わってしまいます。すぐに読んで、すぐに実践を始めましょう。


▼ 2020年1月の担当教員 ▼
石原 尚 先生
石原 尚 先生プロフィール
工学部応用理工学科を卒業後、理研BSI客員研究員やATR連携研究員、JSTさきがけ研究者を兼任しながら工学研究科講師として子供型アンドロイドロボットの身体機能化研究を進めています。アンドロイドは機械に皮膚を載せれば簡単にできそうなのに、なぜ完璧なものを誰も作れないのか?そんな疑問から研究を始め、材料力学や応用化学、医歯看護学や心理学の方々と連携しながらアンドロイドの高性能化の課題解決に取り組んでいます。


● Coop Internship Program